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上田礼子

ReikoUeda

織りものと私

 

私と織りものとの出会い、それは50年前。

故郷・鹿児島の家には広い縁側があり、大きな織り機がありました。

 

祖母は毎日のように織りの前に座り、

パタンパタンと小気味よい音を立てて布を織り上げていました。

 

幼い頃から焼きこまれた織り布の記憶。

30代後半に出会った一枚の布。

生命の輝きを織り込んだような不思議な布。

たちまち織り布のとりこに…以来、織り機と糸との語らいに夢中に。

知れば知るほど織りの深い世界に引き込まれて。

 

羊たちからの贈り物・羊毛、草木染め。

手先から伝わる撚りの感触、縦糸と横糸の胸おどるハーモニー。

織りあげた布がショールになり、コートに仕立てられ、

着る人の個性をひき立てる面白さ。

タペストリーやテーブルクロスになって暮らしを彩ります。

30年余り、そんな織りの日々を過ごしております。

上田礼子
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